2016年12月17日土曜日

コバ磨きのランクアップ(システム手帳編・3)


さて、いよいよパーツの切り出しです。各パーツのグラデーションが合うように、なおかつできるだけ詰めて革に無駄が生じないように工夫します。ちょっとでも余った革はしおりに使うや、革ひもを追加で作ることもできそうです。まだ作ってないけど。

まずは粗断ち(大雑把に切り分けること)で切り分けをして、床面(革の裏側)をトコノールで磨きます。(床処理ってなに?
この辺は、ほとんどの革細工でも共通ですね。
床処理ができて、トコノールが乾いた革から本断ち(図面通りに切り分けること)をします。切り分けたら、それぞれのパーツのコバ磨きを行います。

が!
コバ磨きを行う前にやるのが、「ヘリ落とし」


革の裁断面の角を削り落とします。キレイに削られると細長い革がひょろひょろーっと出来上がります。これがまた気持ちいいんです。
後、ヘリ落としをする前に念引きや縫い線を引くのは先に行った方が良さそうです。ヘリを落としてしまうと革の角にうまく当てられず、線が思っているより内側になったり、線が歪んでしまうことがあります。(念引き・ネジ念ってなに?



縫った後のコバ磨きが重要!

革を縫うということは、今までなかった場所に糸が入るということです。
つまり、その分革は膨らむわけなので、コバはボコボコになるんです。


写真は縫った後、平坦にするためヤスリがけをしたものです。
凹凸になっているのがわかると思います。ヤスリがけを行うと、当然染めた部分が剥がれるので、再度染めます。染めてはトコノールを塗って磨き、さらに細かなヤスリで磨いて染色してトコノールを塗って磨いて・・・の繰り返し。

今まで、縫ってからさらにコバを整え直すという考えがなかったのですが、これをすることで縁の手触りが断然良くなりました。面倒なんですけど。

ちなみにヤスリは、凸凹を整えるのに100均で買ったネイルケア用のヤスリを使っています。頑丈な上に、目詰まりは水で洗えば元に戻ります。その後、耐水ペーパーヤスリで600番→800番→1000番と細かくしていきます。
ツヤが出るたびに顔がニヤけてきますよ(´∀` )

2016年12月11日日曜日

初めてのグラデーション染め(システム手帳編・2)

えっと、この記事は思い出しながら書いています。
記事の公開日が、実際に手を動かしていた日なんだな。なんて思ってください。

さて、前回革の手染めを行ってみましたが、あんまりキレイな色に染まっていませんでした。それが、下の写真。革ってイキモノだしナマモノ(死んでるけど)なもんで、色がよく染み込むところもあれば染み込みにくいところもあるんでしょうね。

グラデーション染のハードルはそんなに高くないぞ!

これを繰り返すこと、3回で鮮やかな空色になってきました!照明の色やカメラやモニタの色補正などなどで若干変わりますが、結構鮮やかになりました。


今まででは、これで終了ではなく「グラデーション」なんです。段々色を変えて行くんです。YUHAKUみたいにやってみたいんです。


で、クラフト染料(空色)に、少しクラフト染料(紺色)を混ぜて下から3/4ほど染めてみたのがこれ。さらに、紺色を加えて下から1/2を染めて・・・と最低4段階ぐらいには分けて染めていかないとイメージ通りにはなりそうにないです。

ただ、この実験だけでわかったのは、

  1. 思ったよりグラデーションはやればできるぞ!
  2. 思ったより、手加減でムラをコントロールせんとアカンな!
という点でした。あと、何度も水分を染み込ませるので、革がどれくらい縮むものかな???と思っていましたが、せいぜい1〜2%ほどでほぼ無視して良い程度でした。

今回はちょっと革を無駄に使うぞ!

実験で感触をつかめたので、本番用の革で下地から染めていきます。


まずは、ハケを使ってササっと水を染み込ませます。いろんな本にそうしておきなよ。と書いてあったのでやっていただけですが、実験で実感したこともあります。
ヌメ革ってめっちゃ水を吸うんです。いきなり染色するとめっちゃムラができるんです。なので、先に水を含ませていきなりガッツリ色を吸い込ませないようにしておくのが良いのです。


で、空色を塗った1回目。ここで気がつきました。
初心者はハケではなく、布を使って小さな円を描きながら少しずつ染めるが吉ってどこかに書いてあった気が・・・ご覧の通り、めっちゃハケで塗りました!の跡が(´・ω・`)ショボン
しかし、この後何度も重ねて塗るので気にしない気にしない。

で、何が無駄って?

写真を見ての通り、どエラく長い革に切り出しました。通常であれば、革を無駄にしないように、うまくパーツを配置して、各パーツを粗断ちしてから染色します。
しかし、今回の作品は各パーツのグラデーションを合わせて作りたかったので、一旦大きな革のまま染色を施して、その後に粗断ちするというメンドクサイことをしています。
すると、
グラデーションを統一するために並べた配置

革を効率よく使うために並べた配置
こんな感じになって、革に無駄が。(´・ω・`)
名刺の一個でも作れそうなぐらいなんですが、大きな半裁のヌメ革を買ったので目を瞑ることに。

そうやって何度も重ね塗りをして染めていくと、

こんな感じに鮮やかに。ムラムラやけど。
さらに、


紺色を足していってグラデーションに。ムラムラやけど。
深海をイメージして塗り込んでいきました。いける!いけるぞぉぉぉぉ!とテンションが上がったところで、次の工程です。



部分漉きに改めて挑戦!僕にピッタリの道具は・・・(ビジネス用2wayバッグ・5)

革細工をしていますと、
ちょっとここ、分厚いから薄くしたいな。なんてことがあります。
その作業を「革漉き」と言います。

一部分を漉くことを「部分漉き
全体を漉くことを「ベタ漉き」と言います。
「ベタ漉き」は大変なので、革屋さんにお願い(数百円でやってもらえるっぽいです)するのがいいようです。
「部分漉き」は自分でやるのが普通なようで、失敗するとザクーヽ(`Д´)ノなんて革を切ったり指を切ったりで、ぶっちゃけ避けてました。

革細工ってナンボほど道具を買わんとアカンねん!?

革漉き器が、1500〜2000円ぐらいするのに躊躇。
ふと、晩ご飯の材料の買い出しで、貝印カミソリを発見。
よし、試してみよう。

ちょっと木槌でトントン叩いて曲げております。


ギョエーーーーー!めっちゃ切れるーーーー!別たちなんか、目じゃねー!
あ、でもすぐ刃がダメになるな・・・しかも、自分の技量にめっちゃ左右される・・・
やっぱり買うか、革漉き器。




ギョエーーーー!すぐ刃がダメになるーーーー!僕のやり方が悪いんかーーーー!
で、ネットでいろいろ調べると、ソフト革にはあんまり向いていないですね・・・。


ヌメ革で試してみると・・・
ギョエーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
やっぱりめっちゃ削げるーーーーーーーーーーーーーー!

とまぁ、目的を忘れて楽しんでいましたとさ。

2016年12月7日水曜日

縫い糸をラミー糸に改めてみました。(ビジネス用2wayバッグ編・4)

僕の愛読書というか、バイブルとも言える、
野谷久仁子氏の著書「いちばんよくわかる はじめての革手縫い」
に記載されていた、糸。メーカーと野谷氏の共同開発で作られたものらしい。

カバンを作るならゼヒと思ってたので、早速購入してみました。

買ったのは、「ラミー特ロー引染糸16/5 50g #24 黄」というもの。


ここで初めて、糸に書かれている「16/5」などの数字の意味を知りました。
「糸の太さ(数字が大きいほど細くなる)/糸をよった本数」
ということです。「16/5」というのはエスコード糸の太に相当します。
僕は手縫いによる手作り感が大好きなので、ステッチが大きく見えるのが良いと思い、糸は太めなのを使っています。

さて、使った感想は、

  • ロー引きされているので、面倒じゃない
  • しかも、誠和のダブルロー引き糸より手がベタベタしない
  • エスコード太より若干細い?(たぶんロー引きされているから)ため、縫いやすい。
という感じです。値段もそんなにバカ高いという感じではないですし、上記の公式サイトからの送料も340円ほどと安いでした。一度使ってみてはいかがでしょう。


2016年12月6日火曜日

久々に革細工再開。今度はシステム手帳だっ!(システム手帳編・1)

ええっと、すみません。
2wayビジネスバッグの記事はまだ未完結です。しかも、完成してから1年ほど経ってる・・・順次思い出しながら書いていきますので、お楽しみに。

さて、久々に始めた革細工は「システム手帳」です。


こちらは、同じ職場のシステム手帳マニアとおっしゃる先輩から借りたもの。アシュフォードの手帳です。写真はバイブルサイズですが、A5サイズのものを作る参考にさせてもらいました。というか、丸パクリもいいところですwww


革は先日の姫路革の市にて買ってきました。ちなみにアルファレザーさんからの、ヌメ革190dsです。ds(デシ)ってのは面積の単位です。10cm×10cmが1dsです。
ちなみに、10,000円〜12,000円ぐらいで売るつもりの革の中に、いろいろ汚れた革が紛れていました。アルファレザーのおっちゃんが
「アカンアカン、混じって一緒に持ってきてもうたがなぁ。」
と言っていたので、すかさず
「おっちゃん、汚れてるからまけてもらえるなら考えるで?」
と結局、8,000円にしてもらいました。

またまた革を染めてみます



で、本日は東急ハンズと100均にも立ち寄っていろいろ買ってきました。
主な目的は、染色。しかも、グラデーション染色に挑戦したいのです。そのきっかけになったのが、この芸術的なグラデーション。







ま、YUHAKUまでいけるとは思えませんが、何事も挑戦です。どうせ使うのは僕です。
まず用意したのが、染色のためのウエス。カタカナで書くとなんのことかと思いますが、ただのボロにした肌着シャツです。これをハサミで適当な大きさに切って、少し持ちやすい形に重ねて縫ってしまいます。特に、畳んだだけのものだと染色している最中に、余計なところに布がバラけて染まるような気がしたからです。

もひとつ用意したのが、実験用の革。
しかも、10cm×10cmにカットしたもの。気に入る色に染めるのに、何回染色を繰り返すか。それにより、革がどれだけ縮むかを確かめるためです。


そうやって染めたのがこれ。クラフト染料の空色です。
空になりそうにないです・・・。多分、5回ぐらい塗らないとダメなきがする・・・
ローパスバチックの方が、鮮やかに染まるんやろか・・・

実験は続きます。乞うご期待。

作っている途中でいろいろ変更してみた(ビジネス用2wayバッグ編・3)


革を裁つのは革包丁とばかり思っていましたが、今回の2wayビジネスバッグは今までの制作とは比べ物にならないぐらいにパーツが多いです。
これを粗裁ち(型紙通りに切り出す前に、少し大きめにサクッと切り出すこと)するのに便利だったのが、ハサミ。それも裁縫道具から引っ張り出した「裁ちばさみ」。



こいつが便利というか、サクサク切れます。そんなこんなでドンドン切り出していきます。


今回、パーツの切り出しに苦労したのが、丸ギリによる線引き。今回ヤフオクで競り落とした革はソフトレザーと呼ばれるものでした。革が柔らかいので、衣服やカバン作りに向いてるのですが、いかんせん柔らかい革なので丸ギリで引いた線が見えにくい・・・
あぁ、だから銀ペン(革用のペン。こすると線が消えるらしい)ってものがあるんだ。

色々初めてのことなので実験をいろいろ



こいつは、カバンの底につける底鋲。底は、革だけでなく底板を入れる予定なので、うまく止められるかをあらかじめ実験しておきました。うむ、大丈夫そう。


もう一つやっておきたかったのが、部分漉き。パーツがたくさん重なるところや、折り返しをするところを薄く漉いて厚みを減らす手法です。ご覧の通り、ガタガタ・・・どうやら革が柔らかいので余計に難しいようです。これはまた別の方法を考えなければならなさそうです。


こちらはマスキングテープ。底板の断面の角が革に擦れて革を痛めそうな気がしたので、保護用に買っておきました。こいつの意外な使い道が、革を重ねるところなどの印付けに活躍しました。丸ギリの線や穴を開けても見えにくいことが多かったので、結構活躍してくれました。


こちらが今回の目玉材料です。
そう、綿テープ。取手などすべて革で作るつもりだったのですが、どこか味気ないなと思っていたところ、手芸屋でたまたま見つけました。丈夫ですし扱いやすそうです。